生殖の生命倫理学
―科学と倫理の止揚を求めて―
 生殖補助医療技術と一般の医療技術との本質的な違いは,「生きること」を扱う臨床医学では科学技術の進歩は善であるが,「生まれる」ことを扱う生殖の科学技術では必ずしもそうではない点にあり,医の倫理学が系統づけられつつあるのに反して,生殖の生命倫理学がいまだに存在しがたいゆえんである.  
  生殖補助医療技術に長年携わってきた筆者が,着床前診断やクローン胚研究,凍結精子を用いた死後生殖や男女生み分けなど,生殖医療の科学と倫理を巡るこれらの課題を中心に,<生殖補助医療の科学技術と生命倫理学とをいかに止揚するか>について思索し,明日の生殖補助医療のあるべき方向性を提示している.  生殖医療技術にかかわる方々だけでなくより多くの人々に,「生まれること」の人間学=生殖の生命倫理学について,ともに考えて頂くためにぜひ一読をお勧めする.
著者:森 崇英(京都大学名誉教授)
B5判 152頁 図42 表38  

定価 4,935円(本体 4,700円+税)

ISBN4-8159-1714-0
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