よくわかる 脳卒中のすべて

よくわかる 脳卒中のすべて
著 者
編集:山口 武典(国立循環器病センター名誉総長)
   
編集:岡田  靖(国立病院機構九州医療センター部長)
発行年
2006年3月
分 類
内科・脳血管
仕 様
B5版 352頁 182図 表122
定 価
7,980円(本体7,600円+税5%)
ISBN
4-8159-1745-0
特 色
脳卒中診療を専門とするエキスパートによって,これまでの予防に加えて根本的な治療が期待される脳卒中医療の現状に即して執筆されている.
最新の医学情報はもちろん,病態,予防,検査,診断,治療,介護,リハビリ,病診連携に至るまで文字通り「脳卒中のすべて」を網羅.認定専門医を目指す若手医師,医学生諸氏,ナースの方々にぜひ手にして頂きたい必携書.

■ 主要目次

CONTENTS 脳卒中とはどんな病気か

1.脳血管疾患の分類
2.死亡統計における脳卒中死亡率の時代的変化
3.久山町住民における脳卒中の時代的変化
 1.脳卒中死亡率
 2.脳卒中発症率
 3.年齢階級別にみた脳卒中発症率
 4.タイプ別脳梗塞の頻度
 5.脳卒中発症者の生命予後
4.脳卒中危険因子の現状と課題


脳卒中になりやすい基礎疾患と生活習慣(危険因子)

1.高血圧
2.糖尿病
3.高脂血症
4.メタボリック・シンドローム
5.飲酒
 1.喫煙
 2.運動不足
 3.頸動脈病変
 4.心房細動
 5.炎症反応
 6.他の危険因子


脳卒中にならないためにはどうするか(予防)

1.脳卒中治療ガイドラインからみた脳卒中の一次・二次予防
2.抗血小板薬は脳卒中の一次予防に有効か?
3.糖尿病患者の脳卒中の一次・二次予防は?
4.スタチンによる脳卒中の一次・二次予防は?
5.メタボリック・シンドローム
6.ポリピルによる脳卒中の一次・二次予防


脳卒中の前触れ― 一過性脳虚血発作

1.診断基準
2.症候学と診断
3.発症機序
 1.動脈由来微小血栓
 2.血行力学的局所脳虚血
 3.心原性塞栓
 4.ラクナTIA
 5.その他
4.放射線学的検査、特にMRI
 1.X線CTと従来のMRI
 2.拡散強調画像(DWI)
 3.DWI病変検出率
 4.DWI病変の臨床的意義
 5.DWI病変検出因子とその解釈
5.転帰と治療


脳卒中にはどんな種類があるか―分類:NINDS、OCSP、TOAST

1.NINDS分類(CVC-V)
 1.発症機序による脳梗塞の分類 
 2.臨床カテゴリーによる脳梗塞の分類 
 3.発症機序と臨床カテゴリーとの組み合わせ 
 4.CVC-V分類の特徴 
2.OCSP分類
 1.OCSP分類について
 2.OCSP分類の特徴 
 3.OCSP分類における病型別の頻度と死亡
3.TOAST分類
 1.TOAST分類について
 2.TOAST分類のinterphysician agreement
 3.TOAST分類の特徴
4.特殊な脳梗塞はどこに分類されるか


どんなときに脳卒中を考えるか?―脳卒中の初期症候

1.初期症候と補助検査
2.脳卒中を疑うべき患者背景
3.発症様式と経過
4.麻痺・感覚障害
 1.運動麻痺
 2.感覚障害
 3.痙攣
 4.不随意運動
5.言語障害・意識障害
 1.構音障害
 2.失語
 3.他の高次脳機能障害
 4.意識障害
6.視力障害
 1.視覚異常、視野障害
 2.眼球運動障害
7.めまい・ふらつき・歩行障害
8.頭痛


脳卒中の診断に必要な画像診断(脳、血管)

1.脳病変の画像診断
 1.脳梗塞の診断
 2.脳出血の診断
 3.くも膜下出血の診断
2.血管病変の画像診断
 1.脳動脈閉塞病変の診断
 2.脳動脈瘤の診断
 3.頸動脈狭窄病変の診断


脳卒中診断に必要な超音波検査

1.脳卒中診断に必要な超音波検査
2.頸部血管超音波検査と経頭蓋超音波検査
3.経食道心エコー図検査
 1.右左シャントと奇異性脳塞栓症
 2.大動脈病変と脳梗塞
 3.新たな展開


脳卒中が起こったらどうするか

1.脳卒中は時間との闘い
2.発症から来院までの時間(来院時間)に関連する因子について
3.脳卒中発症時における「患者および発見者の病識」
4.市民が中心となった脳卒中キャンペーンが重要
5.急性期の対応
 1.患者・発見者の対応
 2.かかりつけ医の対応
 3.脳卒中専門医の対応


ストローク・ユニット(ストローク・ケア・ユニット)の条件、在り方

1.SUのエビデンス
2.血栓溶解療法への対応
3.SU、SCUと脳卒中医療の質
4.わが国のSU、SCUの現状
5.SU、SCUの必須条件、在り方


脳梗塞
脳梗塞はどのようにして起こるか―発症機序

1.脳循環代謝総論
 1.脳血管の構築
 2.脳循環自動調節能/脳血管反応性
 3.血管狭窄と脳血流
 4.脳血流と神経傷害
 5.ペナンブラ
 6.脳浮腫
2.血栓止血総論
 1.血栓形成に関与する因子
 2.血栓の形成機序
 3.血液凝固機序
3.脳梗塞の発症機序(各論)
 1.アテローム血栓性脳梗塞
 2.心原性脳塞栓症
 3.ラクナ梗塞
 4.一過性脳虚血発作
 5.その他


脳梗塞
脳梗塞の症状と診断

1.脳梗塞の症状
2.脳血管病変に基づく脳梗塞の診断
3.梗塞病巣に基づく脳梗塞の診断
4.各種臨床検査に基づく脳梗塞の診断
5.脳梗塞の鑑別診断


脳梗塞
急性期の一般的治療と専門的治療―EBMに即した治療法、ガイドライン

1.病型診断
2.一般的治療
 1.呼吸管理
 2.循環管理
 3.安静と早期離床
 4.輸液・栄養補給
 5.合併症対策
3.特殊治療
 1.脳浮腫治療薬
 2.血栓溶解療法
 3.局所線溶療法
 4.抗凝固療法
 5.抗血小板療法
 6.脳保護薬
 7.血液希釈療法


脳梗塞
慢性期の内科治療―薬物療法と再発予防

1.危険因子の管理
 1.高血圧
 2.糖尿病
 3.高脂血症
2.抗血栓療法
 1.抗血小板療法
 2.抗凝固療法


脳梗塞
脳血行再建術の現状―CEA、CAS、EC/ICバイパス術

1.頸動脈内膜【剥】離術(CEA)
 1.症候性頸動脈狭窄
 2.無症候性頸動脈狭窄
 3.わが国におけるCEAの現状
2.ステント留置術(CAS)
3.EC/ICバイパス術



脳出血

1.脳出血の原因
 1.高血圧性脳出血  
 2.アミロイド血管症による脳出血
 3.頭蓋内血管奇形による脳出血 
 4.もやもや病による脳出血
 5.血液凝固能異常による脳出血
2.脳出血の症状
3.脳出血の診断
4.脳出血の治療
 1.脳出血の治療に関する研究の経緯
 2.手術方法
 3.秋田脳研の方針
 4.脳卒中治療ガイドライン2004
 5.脳卒中治療ガイドライン2004における脳出血の治療
5.リハビリテーション


くも膜下出血

1.くも膜下出血診療ガイドライン
2.くも膜下出血の原因
3.くも膜下出血の発症率と危険因子
4.くも膜下出血の経過、予後、悪化因子
 1.予後 
 2.予後悪化因子
5.くも膜下出血の診断
 1.臨床症状
 2.頭部CT
 3.腰椎穿刺による脳脊髄液検査
 4.頭部MRI
 5.脳動脈瘤の診断
 6.Perimesencephalic SAH(中脳周囲くも膜下出血)
6.初期治療・術前管理
 1.初期治療の目的
 2.再出血の予防
 3.頭蓋内圧の管理
 4.全身管理
 5.重症例への対応
 6.専門施設への搬送
7.再出血予防処置
 1.重症度の判定と再出血予防処置の選択
 2.外科的治療
 3.血管内治療
 4.再出血予防処置の時期
 5.術中管理
 6.保存的治療
8.遅発性脳血管攣縮への対策
 1.診断
 2.治療
9.急性期以降の治療
 1.水頭症の治療
 2.リハビリテーション
 3.追跡観察


特殊な原因による脳卒中  

1.動脈解離
 1.疾患の概念と臨床的特徴
 2.診断
 3.画像検査とその所見
 4.急性期の治療
 5.予後
2.ウィリス動脈輪閉塞症(もやもや病)
 1.疾患の概念と臨床的特徴3.治療
 2.診断
 3.治療
3.血液凝固異常
 1.抗リン脂質抗体症候群
4.若年発症脳卒中
5.そのほかに注意したい特殊な原因による脳卒中


脳卒中のリハビリテーション
急性期

1.脳卒中機能回復のメカニズムと早期リハビリテーション
2.急性期リハビリテーションの重要性
3.急性期リハビリテーションの具体的方法論・ストラテジー
4.急性期リハビリテーションにおけるリスク管理
5.脳卒中リハビリテーションクリティカルパス


脳卒中のリハビリテーション
回復期

1.わが国のリハビリテーション医療の現状
2.脳卒中モデルの基本的考え方
 1.急性期リハビリテーション1
 2.回復期リハビリテーション
 3.維持期リハビリテーション
3.脳卒中における回復期リハビリテーション
4.回復期リハビリテーション病棟における課題


脳卒中でみられる高次脳機能障害

1.前大脳動脈
 1.前大脳動脈の走行と区分
 2.前大脳動脈皮質枝領域の血管障害に伴う臨床症状
 3.前大脳動脈穿通枝領域の血管障害に伴う臨床症状
2.中大脳動脈
 1.中大脳動脈の走行と区分
 2.中大脳動脈皮質枝領域の血管障害に伴う臨床症状
 3.中大脳動脈穿通枝領域の血管障害に伴う症状
3.後大脳動脈
 1.後大脳動脈の走行と区分
 2.後大脳動脈皮質枝領域の血管障害に伴う臨床症状
 3.後大脳動脈穿通枝領域の血管障害に伴う臨床症状


脳卒中と認知症―血管性認知症

1.血管性認知症の「認知症」の定義
2.他の認知症との違い:血管性認知症は皮質下性認知症
 1.皮質下性認知症の特徴
3.血管性認知症の早期診断のポイント
4.やる気低下(アパシー)と抑うつは脳のどの部位と関連するか
5.アパシーと抑うつのどちらがADLや認知機能により関与するか
6.血管性認知症は廃用性認知症か
7.治療・看護と日常生活管理の注意点
 1.脳血管障害の基礎疾患の治療で認知症を抑制する
 2.抗血小板薬
 3.脳機能改善薬


脳血管障害慢性期治療と介護

1.食事の介護―低栄養と嚥下障害
 1.低栄養と肥満
 2.嚥下障害
2.排泄の介護―排尿困難と便秘
 1.排尿の障害とその介護
 2.排便の調節
3.身だしなみの介護
 1.洗面、整容の介護
 2.入浴の介護
 3.口腔ケア
4.運動障害に対する介護
 1.慢性期の運動麻痺に対するリハビリテーション訓練と障害受容
 2.痙性と拘縮
 3.転倒と骨折の予防
5.痛みとしびれの介護
 1.中枢性疼痛(視床痛)
 2.肩の痛み(painful shoulder)
 3.麻痺側四肢のむくみと冷感
 4.頭痛、頭重感
6.心の介護
 1.うつ状態
 2.感情失禁(emotionalism)
 3.脳卒中発作後の認知症とその予防
 4.脳卒中後の痙攣発作
7.コミュニケーション障害の介護
 1.失語症
 2.構音障害の介護
8.介護者への配慮
 1.介護者(患者家族)への説明の重要性
 2.介護者の健康管理
9.社会的な問題
 1.自動車の運転と脳血管障害
 2.余暇活動
10.脳血管障害と介護保険
 1.介護保険の現状
 2.介護保険は脳卒中診療を変えたか
 3.介護保険の見直しと今後の課題


脳卒中と脳の血流(脳循環代謝)
自動調節能、血管反応性

1.脳血流自動調節能の検討方法
2.脳血流自動調節能に影響する諸因子
 1.酸塩基平衡
 2.二酸化炭素
 3.酸素
 4.気圧
 5.自律神経系
 6.レニン・アンジオテンシン(RA)系
 7.一酸化窒素
 8.加齢
 9.睡眠
3.各種病態における脳血流自動調節能の変化
 1.高血圧とRA系を除く各種降圧薬の影響
 2.脳血管障害
 3.頭部外傷
 4.高血圧性脳症や可逆性後白質脳症症候群(RPLS)
4.主幹動脈病変と脳循環予備能


脳卒中と脳の血流(脳循環代謝)
ペナンブラと神経細胞機能

1.ペナンブラとは?
2.Waller変性
3.再生医療
 1.神経再生・神経幹細胞
 2.神経幹細胞を使用した再生医療
 3.その他の細胞を用いた再生治療
 4.遺伝子治療
4.その他
 1.遅発性神経細胞死
 2.虚血耐性現象
 3.虚血再灌流障害
 4.脳虚血に対する主な脳梗塞急性期治療薬の薬効薬理(保険承認薬のみ)


脳卒中の評価スケール

1.脳卒中評価スケールの重要性
2.脳卒中評価の問題点―客観的評価はなぜ困難か
3.理想的なスケールの条件
 1.定量的脳卒中評価スケールの条件
 2.定量的脳卒中評価スケールの種類
4.既存のスケールとその問題点
 1.Physical Deficit Scale(Stroke Impairment Scale)
 2.Functional Scale
 3.その他の脳卒中にかかわる評価スケール


脳卒中の病診連携と医療機能の役割分担
急性期病院から―脳卒中センターの特色と役割

1.機能分担の背景と脳卒中医療における急性期病院の在り方
2.地域医療連携室の役割
3.徹底した院内横断型組織と地域連携体制の確立
4.地域連携に有効なカンファレンス
5.急性期脳卒中患者に対するクリティカルパスの導入と地域連携
6.急性期病院の役割と脳卒中診療ネットワーク
7.一般市民啓発と脳卒中急性期病院の今後の課題


脳卒中の病診連携と医療機能の役割分担
回復期リハビリテーション病棟の施設基準と役割

1.施設基準
2.役割
3.回復期クリティカルパス
 1.回復期リハクリティカルパスとは
 2.クリティカルパスの作成
 3.クリティカルパスの運用
 4.クリティカルパスの効果、バリアンス、問題点


脳卒中の病診連携と医療機能の役割分担
診療所における脳卒中の一次・二次予防

1.臨床病型の基礎知識
2.外来診療における臨床病型分類の注意点
3.主幹脳動脈硬化における脳循環代謝動態
4.外来治療中のTIA
5.外来診療における血栓準備状態
6.血行動態にょり特徴づけられる臨床症候・画像診断
7.外来における脳卒中診断
8.高齢者脳卒中の病診連携
9.外来患者における脳卒中発症


 

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