NEW CONSENSUS


新選 産婦人科診療

新選 産婦人科診療
著 者
編集:石塚文平(聖マリアンナ医科大学産婦人科:教授)

   
編集:金山尚裕(浜松医科大学産婦人科:教授)

   
編集:鈴木秋悦(生殖バイオロジー東京シンポジウム:代表)

   
編集:安田 允(東京慈恵会医科大学産婦人科:教授)

発行年
2006年4月
分 類
産婦人科学
仕 様
B5版 688頁 図287 表237
定 価
19,950円(本体19,000円+税5%)
ISBN
4-8159-1748-5
特 色
第一線の専門医の手によってクオリティの高い内容で執筆された産科婦人科診療の粋を究めた New consensus.とくに重要疾患の診療指針については,読者の読み易さを配慮し,一定のフォーマットに基づいて記述.読者は必要な箇所を即時参照でき一目理解が可能である.

■ 序 文

 日進月歩の医療の進歩の中で,産婦人科医療の進展は目覚ましいものがあり,近年の少子高齢化の波という社会的な影響の中での産婦人科としての対応という問題に留まらず,産婦人科の日常臨床上での,医師の役割または守備範囲も,大きく拡大してきているのが現状である.
 もちろん,近年の診断技術の進歩によって,病態の把握は従来より容易になってはきているが,疾患への理解度をより複雑化し,複合病態の理解を,より難しくしてきている.しかし,なんといっても,Medical Technologyの躍進は顕著であり,専門領域を越えた基本的な学習の必要性が益々重要となっている.
 それと共に,疾患対応への共通理念,すなわち,consensusに基づく疾患への最大公約数的な医療の実践が求められてきている.
 このような時代の流れに沿うべく,この度,本書「New consensus−新撰産婦人科診療」が,多数の優れた執筆者を結集して完成されたことは,編集に携わった者として,望外の喜びであり,また,責任の重さも痛感する次第である.
 本書の構成に当たっては,編者間において十分な議論を費し,まず,症候からみた診療指針について,編者がそれぞれ専門領域を担当して,産婦人科診療上で頻度の高い症候について解説し,本書のスタートとした.
 さらに,重要疾患の診療指針に当たっては,疾患の定義と病態,好発年齢,頻度,疫学,症状,診断,治療などについて,順次記載した.このような実践的な内容は従来の類書にはみられない特徴であり,まさにnew consensusとなるものと確信している.  また,本書の中核部分では「腫瘍」「生殖・内分泌」「周産期」「感染症」に分類し,それぞれの担当編者が疾患項目を設定し,第一線の専門家に執筆を依頼して,クオリティの高い診療指針を呈示していただいた.
 本書の目標とした理想は非常に難しく,企画の段階から編者間で熱い討議を重ねてきたが,多少の重複があることをご理解頂きたい.  診療指針のconsensusは,もちろん,時代と共に進化していくもので,本書がon line上の一点ではなく,線として,末永く改訂変化していくことを編者一同強く願うものである.そして本書が産婦人科の初期・後期研修医はもとより,実地医家の諸先輩の机上でのバイブルとしてお役に立つことを信じている.
 最後に,本書の企画,編集の段階から多大の援助をいただいた,永井書店東京店の高山静編集長,渡辺弘文両氏に厚く感謝致します.

■ 主要目次

第1部 症候からみた診療指針

1. 頻度の高い症状
 1.帯下
 2.月経異常
 3.性器出血
 4.疼痛(腹痛・下腹部痛・腰痛)
 5.不妊
 6.腹部腫大
 7.浮腫
 8.排尿障害
 9.発熱
10.性感異常
11.急性腹症


第2部 重要疾患の診療指針

1. 腫瘍
 A.外陰部
 B.腟腫瘍
 C.子宮頸部
 D.子宮体部
 E.卵巣腫瘍
 F.絨毛性疾患
 G.卵管腫瘍
 H.乳房腫瘍
2. 生殖・内分泌
 1.性腺形成異常
 2.Turner症候群
 3.真性半陰陽
 4.副腎性器症候群(特に晩発性21-水酸化酵素欠損症)
 5.精巣性女性化症候群
 6.子宮性無月経
 7.神経性食欲不振症
 8.肥満,やせ,運動による無月経
 9.ストレス性無月経
10.高プロラクチン血症
11.Sheehan症候群
12.早発閉経
13.多嚢胞性卵巣症候群
14.早発思春期
15.黄体機能不全
16.卵管疎通性障害
17.子宮内膜症
18.Ashermann症候群(子宮腔癒着症)
19.子宮筋腫
20.子宮奇形
21.子宮の位置異常
22.機能性子宮出血
23.更年期障
24.月経前症候群
25.骨粗鬆症
26.高脂血症
27.不育症
3. 周産期
 A.妊娠中の出血を主訴とする疾患
 B.早産関連疾患
 C.全身的な症状を示す妊娠中の疾患
 D.胎児・付属物異常
 E.分娩異常
 F.産褥の異常
 G.新生児
4. 感染症,その他
 A.感染症
 B.その他の疾患


第3部 治療指針Index

1. 腫瘍
 1.外陰癌
 2.CIN I〜III
 3.子宮頸癌
 4.子宮頸部腺癌
 5.子宮内膜増殖症
 6.子宮体癌
 7.子宮肉腫
 8.絨毛性疾患
 9.手技と工夫
2. 生殖・内分泌
 1.Kaufmann療法
 2.ホルモン補充療法
 3.不妊治療
 4.排卵誘発法
 5.不育症治療
 6.乳汁分泌抑制法
 7.避妊法
 8.ART
 9.子宮内膜症の薬物療法
3. 周産期
 1.Tocolysis
 2.分娩誘発法
 3.頸管縫縮術
 4.ステロイド療法
 5.産科DIC対策
 6.吸引・鉗子分娩
 7.帝王切開術
 8.会陰・腟壁裂傷縫合術
 9.産道裂傷縫合(頸管裂傷,子宮破裂)
10.産科手術のコツ
11.産科麻酔
12.妊娠と薬


第4部 個別的必須検査

1. 腫瘍検査
 1.細胞診
 2.コルポ診
 3.画像診断
 4.組織診
 5.腫瘍マーカー
 6.内視鏡検査
 7.一般検査(血算,白血球分画,一般尿検査)
2. 内分泌検査・不妊検査
 1.性ホルモンの測定と検査値の読み方
 2.精液検査
 3.腹腔鏡検査
 4.子宮鏡検査
 5.卵管疎通性検査
 6.基礎体温測定,頸管粘液検査
3. 周産期検査
 1.妊娠中のホルモン検査
 2.妊娠初期超音波検査
 3.妊娠中期・後期超音波検査
 4.羊水検査
 5.胎児のwell-being検査
 6.骨盤X線計測
 7.MRI
 8.腟・頸管分泌物検査
 9.臍帯穿刺
10.母子感染の検査
11.新生児の検査
4. 感染症検査
 1)感染症の疑いがあるときの検査とその進め方


第5部 miscellaneous

 1.薬物効果判定
 2.TNM分類とFIGO分類
 3.絨毛癌診断スコア
 4.ターミナル・ケア
 5.産婦人科における漢方療法
 6.汎用薬剤−at a Glance

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