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外国人患者への外来対応マニュアル

外国人患者への外来対応マニュアル
著 者
著者:小林 米幸(小林国際クリニック 院長)

発行年
2006年5月
分 類
臨床医学一般
仕 様
B6版 188頁 図26 表4
定 価
2,940円(本体2,800円+税5%)
ISBN
4-8159-1749-3
特 色
外国人患者を診療するうえでネックになる, 法律問題, 複雑な社会背景, 海外との医療制度や疾患の違い, 医療に影響する文化・習慣・考え方, コミュニケーションの諸問題など, 地域医療に携わるすべての医療スタッフが, 真に必要としている知識を懇切丁寧に解説する

■ 序 文

 私は今までに外国人医療に関する本を3冊書き上げ,世に送り出してきた.それは外国人の人たちにわが国で満足な医療を受けてもらいたい,わが国にいい印象をもって帰国してほしいという気持と,わが国の医療従事者の方々にさまざまなトラブルに遭うことなく外国人患者の受け入れをして欲しいという切なる願いからであった.しかしながら残念なことに外国人医療をめぐるトラブルは一向に減少している気配がない.
 そこで今回,永井書店より執筆の機会を頂いたとき,日本の医療従事者にとって明日からでも役立つ実践的内容の本をつくるべきと考えた.その結果,解説編の折々に適宜外国人医療に関する実際のトラブルのケースをできるだけたくさん挿入し,「どのようなトラブルが起こり,それはどのような理由で起こり,どのように解決すべきであったのか」を詳細に解説することとした.故にケースについても是非是非念入りにお読み頂きたい.
 解説編を書いていても不謹慎なことなも知れないが気がつかないうちに思わず書き忘れることがある.そんな時にケースを一つひとつ解説していくと思い出したことがたくさんある.故に本文の根幹を為す解説編と,そこへ適宜挿入される各種ケースはおおよそ同じ分量となっている.
 これらのケースは主に外国人医療に関する無料医事・医療電話相談を7カ国語で受け付けているNPO法人AMDA国際医療センター東京オフィスと同センター関西オフィスにかかってきた年間薬5,000件に迫る電話相談の中から相談者のプライバシーに十分に配慮して抜粋した.相談者には外国人患者も日本の医療機関,医療従事者もさらには行政に所属する人たちも含まれており,すなわち外国人の側と受け入れ側である日本側からの両者の相談が含まれている.相談の内容,いきさつについては相談者の訴えを「状況を正しく把握しているもの」という前提で捉えてコメントを加えた.なにぶん,電話相談という手段故に相談者の言い分が誤解であった,あるいはデマであったということも危険性としてないわけでもないということを十分,承知のうえであるということを了承願いたい.
 なおNOP法人AMDA国際医療情報センターは国際緊急支援,開発支援で活躍しているNPO法人AMDA(本部:岡山市)のメンバー数人が中心となり,外国人医療の先行きに危機感をもった6人の人間が各々100万円を寄付して平成3年4月に東京に設立した組織である.NPO法人AMDAとは別組織であるが,AMDAとともにAMDAグループを形成している.著者はAMDAは国際医療情報センター設立の構想を立ち上げた関係上,その設立以来,無給の理事長を務めている.

■ 主要目次

はじめに
・こんなとき,どうする 外国人患者トラブルケース紹介

1.今なぜ「外国人医療」が医療機関および医療従事者にとって見過ごせない問題であるのか
2.外国人を診ることに法律的問題はないのか
3.外国人をめぐる医療を複雑にしているもの 国,地方自治体のダブルスタンダード政策
4.外国人を診療していく上で問題になることは何か?
5.コミュニケーションの諸問題
6.医療に影響を与える文化・習慣,考え方の違い
7.食事指導で注意すべきこと
8.日本の医療と海外の医療の違い
9.医療費の問題
10.診療を始めるための準備
11.お金が払えないと言われたら
12.帰国を希望した場合
13.患者が死亡した場合
14.エイズについて
15.その他,特に注意すべき事柄
16.外国人医療・・・・今後の課題 出版社名

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