名医に学ぶ腰痛診療のコツ

名医に学ぶ腰痛診療のコツ
著 者
著:菊池 臣一(福島県立医科大学整形外科学 教授)
発行年
2006年10月
分 類
整形外科学
仕 様
B5判
定 価
5,775円(本体 5,500円+税5%)
ISBN
4-8159-1767-1
特 色
 腰痛診療とりわけ「非特異的腰痛」の診療において大切なことは,「背後に隠れた重篤な疾患,病態,外傷,神経障害を見逃さない」こと,「その診療によって患者さんに安心感を与える」こと,この二点である.  この目的達成のための著者の20年以上におよぶ腰痛診療のknow-howを余すところなく披露し,「腰痛をどう知るか」,すなわちcommon symptomとしての腰痛症にどう向き合うかについて,腰痛をとりまく社会環境を含めて深く究めた成果が本書である.  いわゆる腰痛症の診断と治療に多くの頁を割いており,さらに画像診断,臨床検査,特殊な腰痛,予防など,腰痛診療のすべてを網羅している.とくに診察のポイントや手順では,医師と患者との信頼関係構築を軸として,患者をみる心構えと細かな注意点やフォローアップの記述は,プライマリ・ケアレベルで腰痛診療を行う医師にとって非常に役立つ内容となっている.  ぜひ,患者さんに納得してもらう腰痛医療を提供するためにご購読をお勧めする.

■ 主要目次

CHAPTER 1 腰痛診療の前に知っておきたいこと

1.今、腰痛をめぐる時代環境が激変
2.腰痛診療に必要な基礎知識

CHAPTER 2 腰痛診察のポイント

1.腰痛の原因は腰にだけあるのではない。原因がわかって初めて的確な治療が可能になる
2.患者さんの受診の目的を把握せよ!
3.医師は、なぜ診察するのか、その目的を意識せよ
4.腰痛診断は問診がすべてである。問診は患者さんの受診目的と病態を明らかにしてくれる。
   そして患者さんとの信頼関係を確立させてくれる手技でもある
5.患者さんの症状や病態は、時間の経過とともに変わる
6.円滑な診療と正しい診断のための前提条件は、患者さんと医師との信頼関係があること
7.大切なのは、前向きな説明!


CHAPTER 3 診察の手順

1.心理的問題をどう評価するか−BS-POPの利用
2.問診による病歴作成
3.理学所見の評価−みて、触ること
4.診察の流れ
5.負荷試験の重要性−安静時の診察だけでは不十分なときがある
6.EBMからみた診断の精度

CHAPTER 4 画像診断

1.退行性疾患における画像検査の位置づけ
2.単純X線写真の価値は限定的
3.MRIは読み過ぎに注意
4.神経根造影・ブロックは診断と治療に有用
5.椎間板造影の適応は限定的
6.読影の誤診を避けるためのポイント

CHAPTER 5 臨床検査

1.臨床検査の役割
2.外来初診時における必須の臨床検査
3.EBMからみた臨床検査の価値

CHAPTER 6 特殊な腰痛

1.女性の腰痛−多彩な原因
2.高齢者の腰痛−加齢変化と臓器相関への配慮が必要
3.小児の腰痛−稀ではない
4.変性側彎症−今、最も治療の難しい腰痛
5.固定術後の狭窄に伴う神経根障害−十分な病態把握が必須
6.多椎間・多根障害−高齢者に多い
7.嚢腫性病変による神経根障害−病状に関係あるかどうかの吟味が必要
8.作業関連腰痛−人間工学的な概念だけでは対応が難しい

CHAPTER  7治 療

1.ポイントはどんな治療をするかではなく、誰を治療するかである
2.治療に求められているのはEBMとNBMの統合
3.高齢者の治療にあたっての留意点は、患者さんのもっている、あるいは治療に伴う合併症への留意
4.症状別にみた治療の基本
5.手術

CHAPTER  8予 防


カートに入れる 前のページに戻る ホームに戻る