脳神経外科バイブル I
脳血管障害を究める 改訂第2版


※現在、品切れ中です。(絶版致しました)
著 者
著:窪田 惺
(立川介護老人保健施設 わかば・元埼玉医科大学 助教授)
発行年
2009年7月
分 類
脳神経外科学
仕 様
B5判・564頁・153図・90表
定 価
(本体 9,000円+税)
ISBN
978-4-8159-1843-9
特 色 
 脳神経外科バイブルシリーズは,脳神経外科研修医および専門医をめざす方々を対象に,箇条書きを主体に簡潔明瞭な文章で読みやすく, わかりやすい参考書であることをモットーとしている.本書は,シリーズ第1回「脳血管障害」の改訂版である. 初版から8年, 脳血管障害をとりまく医療はいっそうの進歩と結果を生みだしてきた.今回の改訂では,くも膜下出血診療のガイドライン,JET(Japan EC-IC bypass Trial)studyの中間解析結果報告,UCAS(Unruptured Cerebral Aneurysm Study)Japanによる日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査による中間報告など,新しい指針や最新の情報を150頁もの増頁にて旺盛に取り込むとともに, 表やレイアウトについても見直し,さらに見やすく,わかりやすく刷新した. 充実した内容と役立つ参考書としてぜひ座右の書としておいていただきたい。

●序   文●

改訂版の序文に代えて
 初版発行以来、約8年の歳月が過ぎ去りました。その間、“くも膜下出血診療のガイドライン”、“JET(Japan EC-IC bypass Trial)studyの中間解析結果報告”や、“UCAS(Unruptured Cerebral Aneurysm Study)Japanによる日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査による中間報告”が出され、「本書の改訂をしなければ……」と思いつつ、時間ばかりが過ぎ去っていきました。筆者の怠慢により改訂版の刊行が遅れてしまい、読者の方々には大変ご迷惑をおかけしました。この紙面をお借りしてお詫び申し上げます。
 今回の改訂にあたっては、内容の充実を図るべく、上記の報告などを踏まえて作業に取りかかりました。しかし、いざ改訂作業を始めると、当時よいと思ったレイアウトや内容の浅さなどに気づき、また、「止められない、止められない……」のテレビのCMではありませんが、調べ始めたら止められない筆者の性格が災いし、時間ばかりが過ぎ去っていきましたが、なんとか刊行にこぎつげることができました。
 この改訂版においても、既刊の脳神経外科バイブルシリーズと同様、第1章〜第4章の基本的な構成は変わりませんが、第4章では、「まとめ編」を「なまけもの編」と改名するとともに、また、「脳神経外科バイブルW 脳腫瘍を究める」より設けました「耳よりな情報編」を追加しました。さらには、“表”の活字を大きくしたり、若干のレイアウトの変更をして読みやすくしました。用語については「日本脳神経外科学会用語委員会(編):脳神経外科用語集改訂第2版(南江堂,2006)に準じました。
 なお、本書についてのご意見やご批判がございましたら、是非編集室までお寄せ下さい。皆様とともに、よりよい参考書にしていきたいと思っています。

 最後に、本書の作成にあたり、文献の収集をお願いした日本医師会医学図書館の諸氏に御礼申し上げます。

 2009年7月
 窪田 惺

■主要目次

 目 次

第1章 脳血管障害へのプロローグ

1. 脳血管障害に必要な解剖と機能
2. 脳血管障害に必要な病態生理
3. 脳血管障害に必要な神経学的所見
4. 脳血管障害に必要な脳循環・代謝
5. 脳血管障害に関連する症候群
6. 脳血管障害とは

第2章 脳血管障害へズームイン

1. くも膜下出血
2. 脳動脈瘤
3. 脳動静脈奇形
4. 頸動脈海綿静脈洞瘻
5. 硬膜動静脈瘻
6. 脳内海綿状血管腫
7. 脳静脈性血管腫
8. ガレン大静脈瘤
9. 高血圧性脳出血
10. 脳アミロイドアンギオパチーによる脳出血
11. もやもや病
12. 脳梗塞
13. 線維筋形成不全
14. 内頸動脈形成不全症
15. 脳硬膜静脈洞血栓症
16. 皮質脳静脈血栓症

第3章 バージョンアップ編

1. 脳血管の異常
2. 原因不明のくも膜下出血
3. 正常圧水頭症
4. 各部位の嚢状脳動脈瘤
5. 脳動脈瘤の形成(発生)・増大因子
6. 脳動脈瘤破裂による急性硬膜下血腫
7. 脳動脈瘤患者の外科的処置後の長期追跡結果
8. 多発性脳動脈瘤
9. 巨大脳動脈瘤
10. 新生脳動脈瘤
11. 高齢者の破裂脳動脈瘤
12. 小児の脳動脈瘤
13. 家族性脳動脈瘤
14. 未破裂脳動脈瘤
15. 真菌性脳動脈瘤
16. 腫瘍性脳動脈瘤
17. 脳動脈瘤を合併する遺伝性全身性疾患
18. 脳動脈解離
19. 脳動静脈奇形
20. 硬膜動静脈瘻
21. 頭蓋内海綿状血管腫
22. 脳静脈性血管腫
23. 高血圧性脳出血
24. もやもや病
25. 脳梗塞
26. 椎骨・脳底動脈循環不全症
27. ボウ・ハンター卒中
28. コレステロール塞栓症
29. その他の原因による脳血管障害
30. 妊娠と脳血管障害
31. てんかん患者と妊娠

第4章 便利編

 T.重症度分類
   1. 意識障害
   2. くも膜下出血のCT分類
   3. くも膜下出血の重症度分類
   4. 脳動静脈奇形
   5. 頸動脈海綿静脈洞瘻の脳血管造影所見による分類
   6. 硬膜動静脈瘻
   7. 脳内海綿状血管腫の病理学的およびMRI所見による分類
   8. ガレン大静脈瘤
   9. 高血圧性脳出血
  10. 末梢性顔面神経麻痺の重症度分類

 U.検査、診断、評価法および治療編
   1. 小児
   2. 手、足および目の利き側の検査
   3. 徒手筋力テストの評価法
   4. 脳血流量、脳酸素消費量、ブドウ糖消費量および脳酸素摂取率(OEF)の正常値
   5. CT上の低吸収域と脳血流量との関係
   6. 脳灌流圧
   7. Hachinskiの脳虚血スコア
   8. 改訂長谷川式簡易知能評価法(HDS-R)
   9. 経頭蓋超音波ドップラー検査
  10. 国際共同研究による未破裂脳動脈瘤のデータ
  11. 内頸動脈閉塞の安全性の判定基準
  12. CTでの血腫量の計算方法
  13. もやもや病の診断の手引き
  14. Acetazolamide負荷による脳血管反応性の評価
  15. ラクナ梗塞と血管周囲腔との鑑別
  16. Leukoaraiosisと脳梗塞
  17. 頸部頸動脈狭窄度の測定法
  18. Barbiturate療法
  19. 成績評価法
  20. てんかん患者と自動車の運転
  21. 抗てんかん薬
  22. 麻酔薬や降圧薬などの薬剤の脳血流量、頭蓋内圧や脳灌流圧などに及ぼす影響
  23. 脳動脈瘤手術中における脳室穿刺の位置―

 V.なまけもの編
   1. Perimesencephalic pattern of subarachnoid hemorrhage
   2. Non-perimesencephalic pattern of subarachnoid hemorrhage
   3. 内頸動脈・後交通動脈瘤による動眼神経麻痺
   4. コイルによる脳動脈瘤塞栓術の適応症例
   5. 傍床突起部動脈瘤
   6. 紡錘状脳動脈瘤
   7. 外傷性脳動脈瘤
   8. 細菌性脳動脈瘤
   9. 未破裂脳動脈瘤
  10. 脳動脈瘤破裂による急性硬膜下血腫
  11. 多発性脳動脈瘤
  12. 巨大脳動脈瘤
  13. 高齢者の破裂脳動脈瘤
  14. 正常圧水頭症
  15. 真菌性脳動脈瘤
  16. 腫瘍性脳動脈瘤
  17. 脳動脈解離
  18. 脳動静脈奇形
  19. 硬膜動静脈瘻
  20. 深在性硬膜動静脈瘻
  21. 下錐体静脈洞硬膜動静脈瘻
  22. 深部静脈系硬膜動静脈瘻
  23. 辺縁静脈洞部硬膜動静脈瘻
  24. 上矢状静脈洞硬膜動静脈瘻
  25. 大脳鎌硬膜動静脈瘻
  26. 頭蓋頸椎移行部硬膜動静脈瘻
  27. 脳内海綿状血管腫
  28. 脳幹部海綿状血管腫
  29. 中頭蓋窩海綿状血管腫
  30. 脳室内海綿状血管腫 
  31. 脳静脈性血管腫
  32. ガレン大静脈瘤
  33. 高血圧性脳出血
  34. 高血圧性脳出血再発例
  35. 同時発症多発性高血圧性脳出血
  36. 脳アミロイドアンギオパチーによる脳出血
  37. もやもや病
  38. もやもや病と脳動脈瘤の合併
  39. 脳梗塞
  40. 小脳梗塞
  41. 出血性脳梗塞
  42. ボウ・ハンター卒中
  43. 椎骨・脳底動脈循環不全症
  44. コレステロール塞栓症
  45. 線維筋形成不全
  46. 内頸動脈形成不全症
  47. 脳硬膜静脈洞血栓症
  48. 皮質脳静脈血栓症
  49. 深部脳静脈血栓症
  50. 小児の脳血管障害
  51. 家族性脳血管障害
  52. 無症候性脳血管障害
  53. 白血病に合併する頭蓋内出血
  54. 全身性エリテマトーデスに合併する脳血管障害
  55. ワルファリン服用中に生じる頭蓋内出血
  56. 血液透析患者に合併する脳出血
  57. 妊娠と脳血管障害

 W.耳よりな情報編

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