イラストで見る
産婦人科手術の実際　改訂第2版


著　者
著：永田　一郎（防衛医科大学校　名誉教授・埼玉医科大学客員教授）
発行年
2010年5月
分　類
産婦人科学
仕　様
B5判・306頁・414図・４色刷
定　価
（本体　15,000円＋税）
ISBN
978-4-8159-1860-6
特　色　
　初版では，内外の数多くの権威に直接接して習得した，習慣や伝統にとらわれない合理的な手術術式の中から，実地臨床上主要な手術術式について，著者自身が描いたイラスト主体の解説によって詳述し好評を博した．
　今回の改訂では，筆者が実際に施行し理にかなった手法であることを実感した，広汎子宮全摘術の神経温存術式，性器脱のTVM手術，尿失禁のTVT，TOT手術などを新たに追加．これらは現代産婦人科手術の大きな柱となる術式として注目される．
　また，従来の手法もアップ・トウ・デイトを随所に加え，全体的に大幅な改訂となった．とくに，著者のオリジナルイラストは，術者の視点で実技に即して描かれており，今回はカラーを配色し，さらに見やすく，実感しやすくなっている．
　これからの産婦人科医を目指す若手医師，実際に産婦人科手術をされている実地医家のみならず，それに携わるパラメディカルの方々にも必ず役立つ実践手術書である．


　

■ 主要目次

第1章　腹壁切開および縫合法
　Ａ．腹壁の解剖
　　１．皮　膚
　　２．筋肉と筋膜
　　３．動脈と静脈
　　４．神　経
　Ｂ．腹壁切開
　　１．下腹部縱切開（下腹部正中切開）
　　２．下腹部横切開

第2章　腹式子宮全摘術
　Ａ．子宮全摘術の歴史的事項
　Ｂ．術前のカウンセリング
　Ｃ．正常卵巣の扱い方
　Ｄ．子宮全摘術の術前準備
　Ｅ．腹式か，腟式か，腹腔鏡下か
　Ｆ．腹式子宮全摘術
　　１．標準術式（いわゆる腹式単純子宮全摘術）
　　２．拡大術式
　　３．逆行性術式
　　４．筋膜内術式
　Ｇ．腹式子宮全摘術終了時の諸事項
　Ｈ．術後のケア

第3章　子宮筋腫核出術
　Ａ．筋腫核出術の手術適応
　Ｂ．術中の出血対策
　　１．子宮の駆血
　　２．血管収縮剤（バゾプレシン）
　　３．筋腫核出術における基本的事項
　Ｃ．子宮筋腫核出術の手順
　　１．漿膜切開
　　２．被膜切開
　　３．筋腫核の摘出
　　４．筋腫核摘出後の死腔の処置
　Ｄ．術後の合併症とその対策
　Ｅ．腹腔鏡下筋腫核出術
　Ｆ．子宮動脈塞栓術
　Ｇ．頸部筋腫における子宮全摘術

第4章　付属器の手術
　Ａ．卵管の保存的手術
　　１．卵管切開術
　　２．卵管部分切除術
　　３．卵管摘除術
　Ｂ．付属器摘除術
　Ｃ．卵巣嚢腫核出術

第5章　広汎子宮全摘術
　Ａ．適応症
　　１．手術適応例
　　２．手術不適例
　Ｂ．術前処置
　　１．麻　酔
　　２．体位およびスタッフの配置
　Ｃ．術式の実際
　　１．開腹および腹腔内検索
　　２．子宮の把持
　　３．子宮上部支持靱帯の切断，膀胱子宮窩腹膜切開，骨盤腹膜側方の切開
　　４．膀胱側腔へのアプローチ
　　５．骨盤リンパ節郭清
　　６．子宮動脈の処理
　　７．尿管剥離操作
　　８．基靱帯の処理
　　９．後方処理
　１０．前方操作
　１１．腟切断と腟断端処理

第6章　傍大動脈リンパ節郭清
　Ａ．術　式
　　１．第一ルートからの操作
　　２．第二ルートからの操作
　　３．後腹膜縫合
　　４．ドレーンの設置

第7章　大網切除術・虫垂切除術
　Ａ．大網切除術
　Ｂ．虫垂切除術

第8章　腟式子宮全摘術
　　１．体位およびスタッフの配置
　　２．術野の消毒
　　３．術式の概説
　　４．術式の実際
　　５）子宮体部の腟外牽出
　　６）付属器断端の切断，結紮
　　７）腹膜縫合
　　８）腟断端縫合

第9章　子宮脱根治術（1）−腟式子宮全摘術を含む従来の手法−
　Ａ．腟式子宮全摘術
　Ｂ．高位腹膜縫合
　Ｃ．腟上部（腟上端）の修復法
　　１．高位仙骨子宮靱帯固定術
　　２．McCall法
　　３．仙棘靱帯固定術
　　４．腸骨尾骨筋膜固定術
　Ｄ．前腟壁の修復法
　　１．前腟壁形成術
　　２．側方腟修復術
　Ｅ．後腟壁の修復法
　　１．後腟壁形成術

第10章　子宮脱根治術（2）−Tension-free vaginal mesh（TVM）法−
　Ａ．TVM法確立の背景
　Ｂ．TVM法の原理−従来の手法と比較して−
　Ｃ．Tension-free Vaginal Mesh（TVM）法の実際
　　１．前腟壁のTVM−anterior TVM−
　　２．後腟壁のTVM−posterior TVM−
　　３．子宮摘出術後，子宮摘出時のTVM−total TVM−
　　４．術後の留意点

第11章　子宮脱以外の性器脱
　Ａ．子宮摘出術後の腟脱
　　１．従来法による腟断端脱の修復法
　　２．TVM法による腟断端脱の修復法
　　３．経腹的手法による腟断端脱の修復法
　　４．術式の実際
　Ｂ．前腟壁の脱垂（膀胱瘤）
　Ｃ．後腟壁の脱垂（直腸瘤）

第12章　尿失禁の手術
　Ａ．腹圧性尿失禁の手術
　　１．tension-free vaginal tape（TVT）法
　　２．Transobturator（suburethral） vaginal tape法，または
　　　　　transobturator midurethral slings法（TOT or TVT‐O）
　　３．婦人科で行われてきた伝統的な手法

第13章　外陰の手術
　Ａ．バルトリン腺嚢胞の手術
　　１．造　袋　術
　　２．嚢胞摘出術
　Ｂ．外陰切除術
　　１．単純外陰切除術
　　２．広汎外陰摘除術

第14章　造　腟　術
　Ａ．植皮を用いる方法
　　１．腟内挿入用プロテーゼの作製
　　２．植皮片の採取
　　３．術前処置
　　４．腟腔の作製
　　５．植皮片のプロテーゼへの装着
　　６．植皮片の腟内挿入
　　７．術後管理
　Ｂ．腸管を用いる方法
　Ｃ．腹膜を用いる方法
　Ｄ．造成した腟管に上皮の再生を期待する方法
　Ｅ．人工真皮（アテロコラーゲン膜）を用いる方法

第15章　顕微鏡下（または拡大鏡下）手術・内視鏡下手術
　Ａ．マイクロサージェリー
　　１．視野の拡大
　　２．器　具
　　３．術　式
　Ｂ．子宮鏡下手術
　Ｃ．腹腔鏡下手術

第16章　産科手術
　Ａ．子宮内膜掻爬術・子宮内容除去術
　　１．麻　酔
　　２．手　技
　Ｂ．頸管縫縮術
　　１．シロッカー手術
　　２．マクドナルド手術
　Ｃ．頸管裂傷と縫合
　Ｄ．会陰切開と縫合
　　１．麻　酔
　　２．切開法
　　３．縫合法
　Ｅ．帝王切開術
　　１．術者の立つ位置と患者の体位
　　２．皮膚切開
　　３．Pfannenstiel横切開の要点
　　４．視野の確保
　　５．子宮下部横切開
　　６．先進部娩出法
　　７．児娩出直後の処置
　　８．子宮壁切開創の縫合
　　９．術野の洗浄，付属器のチェック
　１０．閉　腹

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