やさしく学べる 言語聴覚障害入門






著 者
編著
熊倉 勇美
(川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科 教授)
種村  純
(川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科 教授)
発行年
2011年2月
分 類
脳神経科学・神経内科学/耳鼻咽喉科学・頭頸部外科
仕 様
5判・288頁・201図・写真104点・56表
定 価
(本体 5,000円+税)
ISBN
978-4-8159-1875-0
特 色 
 ことばは耳から入り脳の言語領域で理解され,その後脳内で話しことばが組み立てられ,喉や口を用いてことばを発する.この長いプロセスにかかわるそれぞれの器官に機能障害が生じると言語・聴覚の障害が出現する.
 本書は,この言語・聴覚障害を理解するために,必要な器官の解剖と生理,原因となる疾患,言語学と心理学の知識をコンパクトにまとめ,各種言語・聴覚障害に対するリハビリテーションをやさしくわかりやすく解説した入門書である.
 社会の複雑化に伴ってコミュニケーションの必要性が非常に高まり,言語聴覚障害に対する関心も,またその障害に対するリハビリテーションのニーズも増大するなか,この分野を専門的に勉強する人にとっての入門書として格好のテキストとなっている.言語聴覚障害児・者にかかわる医療,福祉,教育の専門職の先生方にもぜひ読んで頂きたい.

●序   文●

 ことばは耳から入って脳の言語領域で理解されます。その後脳内で話しことばが組み立てられ、喉や口を用いてことばを発します。この長いプロセスにかかわるそれぞれの器官に機能障害が生じると言語の障害が出現することになります。聴覚障害、大脳の損傷による失語症、発話器官の障害である音声・構音障害です。また、声を出し、話をする器官は食べたり、飲んだりするために用いられる器官でもありますので、摂食・嚥下障害も現れます。またこれらの器官に先天的な障害があったり、発達の途上で小児期に言語聴覚障害が出現します。
 本書では各種の言語聴覚障害と、それらを理解するために必要な器官の解剖と生理、原因となる病気、言語聴覚障害を理解するための言語学と心理学の知識をまとめました。社会の複雑化に伴ってコミュニケーションの必要性が非常に高まっています。言語聴覚障害に対する関心も、またその障害に対するリハビリテーションのニーズも増大するばかりです。
 本書は言語聴覚障害についての確実な知識をコンパクトにまとめており、この分野を専門的に勉強する人にとっては入門書の役割を果たします。言語聴覚障害児・者にかかわる医療、福祉、教育の専門職の先生方にも読んで頂きたいと思います。

 平成23年2月吉日 編 者

■ 主要目次

序   論

1.「言語聴覚障害学」とは
2.言語聴覚士とは
3.言語聴覚士を目指すには
4.言語聴覚士として働くには

I. 言語聴覚機能(摂食・嚥下機能を含む)の基礎知識

1.言語聴覚機能にかかわる器官の構造と機能
 1.発声・摂食・嚥下にかかわる構造と機能
 2.聴覚にかかわる構造と機能
2.言語聴覚機能にかかわる中枢過程の構造と機能
 1.聴覚にかかわる中枢過程の構造と機能
 2.摂食・嚥下にかかわる中枢過程の構造と機能
 3.発声・構音と言語にかかわる中枢過程の構造と機能
 4.言語聴覚機能に関与する脳神経
3.言語聴覚障害(摂食・嚥下障害を含む)をもたらす疾患─耳鼻咽喉科疾患を中心に
 1.聴覚障害をもたらす疾患
 2.音声・構音障害をもたらす疾患
 3.摂食・嚥下障害をもたらす疾患
4.言語聴覚障害(摂食・嚥下障害を含む)をもたらす疾患─脳神経外科の視点から
 1.脳血管障害(脳卒中)
 2.頭部外傷
 3.脳腫瘍
 4.変性疾患・脱髄疾患
 5.末梢神経疾患
 6.筋疾患など
 7.感染性疾患
5.言語・コミュニケーションの分析方法(言語学・音声学)
 1.文発話のプロセス
 2.統語レベル
 3.形態・音韻レベル
 4.音韻・音声レベル
6.言語獲得の概念的・方法論的理解
 1.音声知覚
 2.語彙の意味獲得
 3.統語法の獲得

II. 各種言語聴覚障害とそのリハビリテーション

1.聴覚障害
 1.聴覚障害とは
 2.音の物理
 3.難聴の早期発見
 4.聴力検査
 5.補聴器
 6.人工内耳
 7.聴覚障害児教育(療育)
 8.中途失聴者への対応
 9.福祉制度
 10.視覚聴覚二重障害
2.音声・構音障害
 1.「音声」について
 2.音声障害とは
 3.「構音」について
 4.構音障害とは
3.摂食・嚥下障害
 1.摂食・嚥下障害とそのリハビリテーション
 2.嚥下機能の発達と加齢変化
 3.小児の摂食・嚥下リハビリテーション
 4.成人の摂食・嚥下リハビリテーション
 5.リスク管理
 6.栄 養
 7.外科的対応
 8.嚥下機能補助装置・気管カニューレ
 9.在宅・施設におけるアプローチ
 10.さらなる発展へ向けて
4.大脳の損傷による言語とコミュニケーションの障害
 1.失語症
 2.認知コミュニケーション障害
5.言語獲得とその障害
 1.発達障害児に対する言語聴覚士の役割
 2.典型発達児の言語獲得
 3.言語障害の分類と治療的介入
6.小児の構音障害
 1.構音の発達
 2.構音とは
 3.構音障害とは
 4.評価と診断
 5.構音訓練
 


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