NEW 褥瘡のすべてがわかる


著 者
編著:
 真田 弘美(東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻老年看護学分野 教授)
 宮地 良樹(京都大学大学院医学研究科皮膚科学 教授)
発行年
2012年￿9月
分 類
皮膚科学 看護学一般
仕 様
B5判・482頁
定 価
(本体 9,300円+税)
ISBN
978-4-8159-1903-0
特 色 
◆ 褥瘡をめぐる目覚ましい進歩を積極的に取り入れた,新たなる褥瘡バイブル「青本」の誕生 
 褥瘡診療がようやく科学的な体系を確立しようとするなかで生まれた初版,職種を越えた領域から好評を博し褥瘡スタンダードテキストとして確固たる地位に定着した第2版は,褥瘡の「赤本」として親しまれてきた.
 今回,本邦の褥瘡対策の新しい進歩に鑑み,また2012年に改訂された日本褥瘡学会のガイドラインを全面的に準拠しつつ,新たなチーム医療に携わるすべての職種の成書となるべく,QOLを視野に入れ,さらに在宅医療について充実を図り,褥瘡発生の新しい理論や治療方法など,最前線で協働するために必要な共通言語としての知識と技術をふんだんに取り入れた.このたび改訂版ではなく,新刊書として褥瘡の「青本」となって誕生した.
 褥瘡対策・技術の基本的マスターから,支える医療,個々の生活を基盤とした在宅医療へ,従来医療スタッフが主導型で行ってきたチーム医療から,在宅療養者とその家族が中心となり介護専門職との協働による新たなチーム医療へシフトする褥瘡診療のいまと今後に「答えはここにある」と断言できる一冊. 

■ 序 文 ■

■￿￿ わが国の褥瘡対策はチーム医療の熟成とともに
 褥瘡発生は看護の恥といわれた時代から、病院の質を問うクリニカルインディケーターとして、大きな発展を遂げた。その証拠に、2012年の診療報酬改定では、従来の褥瘡患者管理加算がなくなり、入院基本料の中に褥瘡対策が含まれるようになった。このことは、医療施設においては褥瘡対策チームを置き、リスクアセスメント、DESIGN−Rを用いた創部のモニタリングによる褥瘡予防・管理を行うこと、そして体圧分散寝具を備えることなどといった科学的な取り組みが一般化したといえる。この背景には、褥瘡管理を「経験と勘」から「科学的アプローチ」にパラダイムシフトさせた日本褥瘡学会の貢献、それを実践する皮膚・排泄ケア認定看護師たちのひたむきな努力、そしてこれらを後押しするような医療政策の変革があり、まさに医療における好事例として位置づけられている。さらにわが国の褥瘡対策は、グローバルな視点からも大きく評価されている。世界に類をみない褥瘡有病率の低さは、ガイドラインのような科学的なスタンダードをもとに、医師・看護師のみならず、薬剤師・栄養士、そして理学・作業療法士などによるチーム医療の粋を極めた成果にほかならない。

■￿￿ 日本の将来に必須となる新しい褥瘡チーム医療とは
 日本の少子高齢化のスピードは極めて急速であり、2007年には65歳以上の人口が21%以上を占め超高齢社会となった。これは長寿国として世界に誇るべき事象である一方、膨大化する医療費は、日本の経済を脅かすといった、紛れもない現実を突きつけてくる。長寿国である日本が幸せになるためは、治す医療から、支える医療への転換を速やかに行うことが鍵となる。このように褥瘡を取り巻く医療政策も、方向性を見極める時期にきている。有病率と重症度だけアウトカムした時代から、患者の立場に立ち、痛みのない、良好な健康状態を保つためのQOLの向上を目指す医療が望まれてきた。さらに、支える医療には、個々の生活を基盤とした、在宅医療への転換も含まれている。これは従来、医療スタッフが主導型で行ってきたチーム医療から、在宅療養者とその家族が中心となり、介護専門職との協働による新たなチーム医療への再編が切に望まれている。

■￿￿ バイブルといわれた褥瘡の赤本から青本へ進化
 本書は、褥瘡の赤本といわれた「褥瘡のすべて」において基本となった褥瘡学としての趣旨は貫き、2012に改定された最新の日本褥瘡学会のガイドラインに準拠しただけではない。新たなチーム医療に携わるすべての職種の成書となるべく、QOLを視野に入れ、さらに在宅医療について充実を図り、褥瘡発生の新しい理論や治療方法など、最前線で協働するために必要な共通言語としての知識と技術をふんだんに取り入れた。さらに、執筆陣には現日本褥瘡学会の理事を含めた新進気鋭の方々に加わって頂いたことから、改訂版ではなく、新刊書として誕生したのが、この褥瘡の青本である。

 最後に、きたる2025年に向けて新たに展開される褥瘡対策のチーム医療の成功に、本書が貢献できることを願ってやまない。

 平成24年8月吉日
 真田弘美、宮地良樹

■目次■

■1 褥瘡の疫学
1.褥瘡の有病率と推定発生率
2.褥瘡の発生部位
3.褥瘡の重症度
4.褥瘡有病者の特徴
5.褥瘡有病者へのケア
6.褥瘡の局所管理

■2 褥瘡とは
1.褥瘡とは
2.褥瘡の発生メカニズムと関連要因
3.褥瘡を取り巻く問題点
4.今後の課題

■3 褥瘡はなぜできる
3■1.生体反応からみた褥瘡の発生機序
3■2.生体力学からみた褥瘡の発生機序

■4 褥瘡のリスク評価
4■1.リスクアセスメント総論
4■2.リスクアセスメントスケール各論

■5 褥瘡の予防━総論
1.体位変換・ポジショニング
2.体圧分散寝具の選択
3.摩擦・ずれの排除
4.スキンケア
5.栄養管理
6.リハビリテーション
7.患者・家族教育

■6 外力の管理
6■1.臥位での褥瘡を予防する
[1]体位変換・ポジショニング
[2]体圧分散寝具
6■2.座位での褥瘡を予防する
6■3.リハビリテーション

■7 褥瘡のスキンケア
7■1.皮膚科学からみたスキンケアの基礎知識
7■2.紛らわしい皮膚疾患
7■3.スキンケアの実際

■8 褥瘡の栄養管理
8■1.栄養管理総論
8■2.栄養管理の実際

■9 創傷治癒のメカニズム
1.止血および炎症相
2.増殖相
3.再構築相
4.創傷治癒に関与するサイトカイン
5.褥瘡を含む慢性創傷の特徴

■10 褥瘡の分類と創面評価
1.NPUAPの褥瘡分類
2.Deep tissue injury(DTI)
3.本邦における褥瘡分類
4.PSST、PUSH、PUHP
5.DESIGNツール
6.DESIGN−Rの登場

■11 急性期褥瘡治療の基本スキーム
1.急性期褥瘡とは
2.急性期褥瘡の病態
3.急性期褥瘡の経過
4.急性期と慢性期の分岐点
5.急性期褥瘡の診断について
6.急性期褥瘡の管理と治療

■12 慢性期褥瘡治療の基本スキーム
12■1.外用剤の基本
12■2.外用療法の実際
12■3.DTIの重症化の予測とその予防の基本スキーム

■13 慢性期褥瘡治療の実際
13■1.Wound_bed_preparationのコンセプトと実際
13■2.Moist_wound_healingのコンセプトと実際

■14 ドレッシング材
14■1.理論と分類
14■2.ドレッシング材を用いた創傷管理

■15 陰圧閉鎖療法
1.陰圧閉鎖療法(NPWT)とは
2.陰圧閉鎖療法システム
3.NPWTの効果
4.NPWTの適応
5.創処置の頻度について
6.陰圧閉鎖療法における留意点

■16 QOLについて

1.褥瘡患者の痛みのメカニズム(慢性創傷)
2.緩和ケア患者のQOL

■17 難治性褥瘡の治療
1.感染、壊死組織が残る褥瘡
2.肉芽形成期の難治性褥瘡:改善しない場合はどう対処する?
3.判断を間違うと難治化する、注意すべき褥瘡

■18 褥瘡の外科的療法
18■1.外科的治療(手術療法)
18■2.術前術後の看護

■19 褥瘡の生物・物理学的療法
1.生物・物理学的療法の位置づけ・種類
2.生物学的療法、マゴット療法
3.振動療法
4.その他の物理療法

■20 褥瘡発生後のケア
1.褥瘡発生の要因を明らかにする
2.褥瘡の治療目標を設定する
3.褥瘡の治療計画立案の実際

■21 褥瘡のチーム医療(急性期病院を例に)
1.褥瘡対策の変遷とチーム医療
2.チーム医療
3.京都大学医学部附属病院における褥瘡対策〜褥瘡ハイリスク患者管理をもとに〜

■22 在宅での褥瘡ケア
22■1.予防・治療について
22■2.訪問看護の技術

■23 患者・家族の教育
1.褥瘡ケア教育の意義
2.患者と家族のアセスメント
3.患者・家族の教育

■24 褥瘡患者のクリニカルパス
1.クリニカルパスとは
2.褥瘡対策にクリニカルパスを導入する意義
3.褥瘡クリニカルパスの作成
4.褥瘡クリニカルパスの実例
5.電子カルテと褥瘡クリニカルパス

■25 褥瘡ケアの質の保証
1.創傷としての褥瘡の特徴
2.褥瘡ケアの質と褥瘡の特徴との関係
3.褥瘡ケアの質を保証するための要素となるもの

■26 褥瘡ケアの質の評価
1.ケアの構造(structure)
2.ケアの過程(process)
3.ケアの成果(outcome)

■27 褥瘡ガイドライン(日本と世界)
1.日本褥瘡学会ガイドライン
2.NPUAP/EPUAP合同ガイドライン

■28 褥瘡をめぐる今後の展望
1.高齢者医療における褥瘡医療の位置づ
2.これからの課題




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