系統小児外科学

 改訂第3版



著 者
編著
福澤 正洋(大阪大学名誉教授/大阪府立母子保健総合医療センター 総長)
中村 哲郎(大阪市立総合医療センター小児外科 部長)
窪田 昭男(和歌山県立医科大学第2外科 学長特命教授)
発行年
2013年 9月
分 類
小児外科学
仕 様
B5判・909頁
定 価
 (本体 2,3000円+税)
ISBN
978-4-8159-1911-5
特 色 
 第2版発行から8年,現在の小児外科学のEncyclopediaとして大きな支持を得てきた本書の改訂第3版.全体の構成はほぼすべてを刷新.進歩著しい小児外科学の注目トピックスをすべて網羅し,執筆陣も大きく入れ替えて充実した改訂内容となった.また,ページ構成では本文を二段組とし,たいへん読みやすくなっている.
 高水準の小児外科知識を教科書的に整えながらも,専門医はもとより医学生,研修医,小児医療に携わるメディカルスタッフの方々にも理解できるように深い興味を持たせる執筆を基本として構成する.これまで集積してきた実績をもとに,基礎から最新のトピックまで小児外科学のすべてを網羅した待望の改訂版である.

■ 改訂三版の序 ■

 改訂二版から早くも8年が経過し、また「系統小児外科学」を編著されました故 岡田 正先生がご逝去されて5年の歳月が流れました。「系統小児外科学」は大阪大学小児外科教室同門の先生方を中心として執筆して参りましたが、関係の先生方よりそろそろ改訂しては、との助言を頂きました。
 次の世代を担う小児の健康の保持と育成という重要な役割を預かる現在の小児外科医には、少産少子化の加速をはじめ医学・医療を取り巻く環境の急激な変化のなか、その重要性と期待はますます大きくなってきております。
 本書は初版刊行以来、小児外科領域のほぼすべての項目を網羅し、さらに改訂二版では小児外科学の進歩とともに、小児医療を取り巻く環境の変化に対応するため、内容の刷新と注目トピックスを加え、わが国における小児外科学の集大成の成書として大きな指示を得て参りました。
 このたび、時代のニーズに応じた、内容のより一層の充実を図り、診療の第一線で活躍する小児外科医の Encyclopedia として、また小児外科を目指す研修医や若き医学生たちにとっては格好の指導書となるべく改訂致しました。執筆者も若返りを図るとともに二段組みの体裁に整え、読みやすく致しました。
 本書が小児外科医療に携わるあらゆる医療者の専門書・指導書となりますことを祈念いたします。
 平成25年 初夏
 福澤 正洋

■ 主要目次

● 総   論 ●

第1章 小児外科序論
 1.小児外科とは
 2.小児外科の歴史
 3.小児外科の卒前・卒後教育
 4.小児外科と医療費
 5.小児外科の倫理

第2章 小児の検査法
 1.X線検査法
 2.CT,MRI,超音波検査
 3.核医学検査
 4.主な核医学検査
 5.内圧検査法−食道,直腸・肛門−
 6.食道pHモニタリング
 7.病理組織検査法

第3章 先天奇形の出生前診断と治療
 1.出生前診断
 2.胎児治療

第4章 小児外科管理
 1.新生児,低出生体重児
 2.新生児の搬送
 3.麻酔管理
 4.呼吸・循環管理
 5.輸   血
 6.体液管理・輸液
 7.栄 養 法
 8.体温管理
 9.感染症管理
 10.黄   疸
 11.手術室の環境整備
 12.NO吸入療法
 13.小児の救急医療

第5章 熱傷・外傷・異物,その他
 1.熱   傷
 2.外   傷
 3.分娩外傷
 4.被虐待児症候群,小児虐待
 5.消化管・気道異物

第6章 臓器移植
 1.肝 移 植
 2.腎 移 植
 3.小腸・多臓器移植
 4.肺 移 植
 5.骨髄移植−末梢血幹細胞移植を含む−

第7章 人工臓器
 1.体外式膜型酸素化装置(ECMO)
 2.体外循環を用いた持続的血液浄化法
 3.持続携帯式腹膜透析(CAPD)

第8章 基本的な手技
 1.中心静脈カテーテル(CVC)挿入
 2.末梢静脈路の確保
 3.動脈カテーテルの確保
 4.気管切開術
 5.胃瘻造設術
 6.人工肛門造設術,消化管ストーマ造設術
 7.腎瘻造設術
 8.内視鏡下手術

第9章 薬物療法
 1.小児薬用量の決定
 2.剤形と投与方法
 3.薬物併用について
 4.コンプライアンスについて
 5.小児に対する薬物の安全性について
 6.小児外科手術に伴い頻用される薬剤
 付.漢方療法

第10章 放射線療法
 1.放射線照射法
 2.小児における放射線治療
 3.放射線治療による障害

第11章 在宅(中心)静脈栄養
 1.目   的
 2.小児のHPNの特殊性
 3.適   応
 4.小児HPNの実際

第12章 分子標的治療・再生医療
 1.分子標的治療
 2.再生医療

● 各   論 ●

第13章 頭部・顔面・頸部疾患
 1.水 頭 症
 2.頭部腫瘤
 3.その他の血管腫,血管奇形
 4.口唇裂,口蓋裂
 5.口腔疾患
 6.頸部嚢胞,頸部瘻
 7.甲状腺疾患
 8.二分脊椎
 
第14章 心・大血管疾患
 1.心・大血管の発生学
 2.血 管 輪  門場 啓司
 3.大動脈縮窄症.大動脈弓離断症
 4.動脈管開存症
 5.総肺静脈還流異常
 6.エプスタイン奇形
 7.心房中隔欠損症
 8.心室中隔欠損症
 9.ファロー四徴症
 10.完全大血管転位症
 11.左心低形成症候群
 12.先天性心疾患を合併した小児外科疾患症例の循環管理

第15章 気管・気管支・肺・縦隔・胸壁疾患
 1.上気道の先天異常
 2.先天性肺嚢胞症
 3.気胸・膿胸
 4.先天性気管狭窄症
 5.Poland 症候群,漏斗胸
 6.乳腺疾患

第16章 食道疾患
 1.食道閉鎖症
 2.先天性食道狭窄症
 3.食道アカラシア
 4.胃食道逆流症

第17章 横隔膜疾患
 1.先天性横隔膜ヘルニア
 2.その他の横隔膜疾患

第18章 胃・十二指腸疾患
 1.胃軸捻転(症)
 2.肥厚性幽門狭窄症
 3.幽門閉鎖症
 4.新生児胃破裂,新生児胃穿孔
 5.胃・十二指腸潰瘍
 6.十二指腸閉鎖症,十二指腸狭窄症
 7.上腸間膜動脈症候群
 8.急性腹症

第19章 空腸・回腸・結腸疾患
 1.腸回転異常症
 2.小腸閉鎖症(空・回腸閉鎖症)
 3.胎便性腹膜炎
 4.胎便関連性腸閉塞症
 5A.壊死性腸炎
 5B.限局性腸穿孔
 6.臍腸管(卵黄腸管)遺残・メッケル憩室・臍腸瘻
 7.消化管重複症
 8.乳糜胸水,乳糜腹水
 9.内ヘルニア
 10.腸重積症
 11.腸間膜嚢腫,大網嚢腫
 12.虫 垂 炎
 13.炎症性腸疾患
 14.短腸症候群−腸管不全

第20章 直腸・肛門疾患
 1.ヒルシュスプルング病
 2.ヒルシュスプルング病類縁疾患
 3.直腸肛門奇形
 4.慢性便秘症
 5.消化管ポリープ
 6.直腸肛門周囲膿瘍,痔瘻
 7.裂   肛
 8.直腸脱,肛門脱

第21章 肝・胆道・膵・脾疾患
 1.胆道閉鎖症
 2.先天性胆道拡張症,膵・胆管合流異常
 3.胆 石 症
 4.門脈圧亢進症
 5.膵 嚢 胞
 6.膵形成異常
 7.急性膵炎,慢性膵炎
 8.小児の低血糖症
 9.脾摘疾患

第22章 腹壁・臍疾患
 1.臍帯ヘルニア
 2.腹壁破裂
 3.総排泄腔外反症
 4.臍ヘルニア(付.腹壁ヘルニア)
 5.臍   瘻
 6.prune belly症候群

第23章 鼠径部疾患
 1.外鼠径ヘルニア,間接鼠径ヘルニア
 2.大腿ヘルニア,内鼠径ヘルニア,直接鼠径ヘルニア
 3.精索水腫,陰嚢水腫,ヌック管水腫
 4.停留精巣(停留睾丸),移動精巣
 5.精巣捻転症,急性陰嚢症

第24章 良性・悪性腫瘍
 1.神経芽腫
 2.腎 芽 腫
 3.肝 腫 瘍
 4.横紋筋肉腫
 5.奇形腫群腫瘍
 6.膵 腫 瘍
 7.肺 腫 瘍
 8.縦隔腫瘍
 9.卵巣嚢腫
 10.悪性リンパ腫
 11.脳 腫 瘍
 12.その他の腫瘍
 13.oncologic emergencies
 14.血管性腫瘍,血管奇形

第25章 腎疾患,その他,泌尿・生殖器疾患
 1.閉塞性尿路疾患
 2.嚢胞性腎疾患
 3.先天性腎・尿路異常
 4.腎血管性高血圧
 5.膀胱尿管逆流
 6.神経因性膀胱
 7.性分化疾患
 8.尿道下裂
 9.包   茎
 10.女性性器の先天疾患

第26章 結合体・寄生体・胎児内胎児
  1.結 合 体
  2.寄 生 体
  3.胎児内胎児

第27章 整形外科疾患
 1.先天性股関節脱臼
 2.先天性内反足
 3.先天性筋性斜頸
 4.脊柱側彎
 5.四肢の奇形
 6.分娩麻痺

索 引


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