リウマチ病セミナー XXV


著 者
監修 七川 歡次(滋賀医科大学名誉教授)
発行年
2014年12月
分 類
膠原病・リウマチ
仕 様
B5判・232頁
定 価
(本体8,200円+税)
ISBN
978-4-8159-1916-0
特 色 
 リウマチ学のいまを知らせる好著.本セミナーは,1990年以来毎年発行されており,今回が25冊目.
 内容は,リウマチ病の捉え方に大きく影響する新しい知見とそれに基づく新しい考え方.リウマトロジーの醍醐味を教えてくれるリウマチ病研究の歴史.そして,今やリウマチ学の最大のテーマである骨粗鬆症の最新知見.多彩で新しい薬剤のレビュー,大きく進歩する手術技術などを取り上げる.
 常に本領域の水先案内人として,最新の研究成果・治療データを提供してきた.多彩で日進月歩の進展をみせるリウマチ学を一流の研究者たちが思う存分成果を披露している.

■ 序   文 ■

 2013年開催の第25回中之島セミナーの記録集,リウマチ病セミナーXXVを出版することができました.
 ご存じのとおり2014年4月20日,日本リウマチ学会の前日,七川先生が心不全により突然ご逝去されました.先生は今年初め,風邪がもとで肺炎を患い数カ月の入院をされていました.入院中もICUに入りながら海外のリウマチ専門書を読まれるなど,やはり先生は常人と違う学者です.先生が入院中最も気にかけられていたことはもちろん中之島セミナーの次回の企画でした.事実,入院中のベッドの中で2014年度の発表演題の選択をされていました.私ども世話人会一同はその原案を基に2014年度のプログラムを作成させていただきました.
 本来,この序文は七川先生が書かれておられました.選択された最新のリウマチ病に関する話題とセミナー全般についてのコメントが的確に書かれており,いつも楽しみに読ませていただいていました.今回は,リウマチの発症病因から関節周囲組織の解剖学を含めリウマチ学全般にわたる最新の検査や治療を取り上げています.その中には,最近注目されているナラティブメディシンの実際にも言及しています.また,最近,骨粗鬆症治療薬の開発が著しく,新しい薬理作用を持つ薬剤の解説もあります.スポーツは,バスケットボール障害を取り上げています.
 七川先生が本会を設立した目的の一つは,リウマチ学の最先端の情報について,若いリウマチ医を目指す医師たちが,世界の論文を熟読し,知識の整理を行うことでした.もう一つは,各テーマの発表を10分間で簡潔にまとめて行うこと,さらに,最新の文献を網羅して,論文の総説を書く訓練でした.多くの若いリウマチ医を輩出できたのも本会のお蔭であり,七川先生の四半世紀にわたる教育プログラムの遂行に敬意を表します.
 リウマチ病セミナーもこの25巻をもって最終とさせていただきます.永い間ご購読された先生方をはじめ,サポートしていただいた参天製薬と,いつも期日を無視して無理な出版をお願いした永井書店に心から深謝いたします.
 七川先生,いつまでも我々後輩を見守っていて下さい.ありがとうございました.

2014年12月
中之島セミナー世話人代表  
大阪大学医学部整形外科 教授
吉 川 秀 樹   

■ 主要目

炎症リウマチ
 付着部炎と骨新生  (田村 直人/多田久里守)

 関節リウマチとナラティブメディシン  (志水 正敏)

 関節リウマチの発症病因:自己免疫疾患の発症病因によせて  (塩沢 俊一)

 骨軟化症(osteomalacia)2013  (寺本 道雄)

 特発性大腿骨頭壊死症のup to date  (齊藤 正純/上島圭一郎/石田 雅史/久保 俊一)

骨・関節・神経

 骨膜の解剖病理  (平尾  眞/橋本  淳)

 腰椎のModic changes  (福田 眞輔)

 サルコペニアとロコモティブシンドローム  (西林 保朗)

 バスケットボールの障害について  (内山 英司)

診断・検査

 足首のbursitis(US検査の有用性)  (瀬戸 洋平)
 
 リウマチ疾患と喫煙の関連および禁煙指導の臨床  (郷間  厳)

 新しいSLEの分類基準  (楢崎 雅司)

 頭痛 リウマチ医に必要な知識  (前田  倫)
 
生 物 学
 リウマチ疾患に甲田療法を再評価する  (渡邊  昌)

 エピジェネティクスと骨・関節疾患  (仲野  徹)

 ゆらぎと生命機能  (柳田 敏雄)

 機械的刺激−軟骨下組織および腱に及ぼす影響
  −軟骨細胞におけるイオンチャネル解析を介した
  細胞恒常性維持機構の解明−  (熊谷 康佑)

 TNFシグナルのnegative regulators:TNFα−Induced Proteins  (佐伯 行彦)

 NETs(neutrophil extracellular traps)と自己免疫疾患(血管炎など) 
  (松久 明生/山本 誠司/植村 英俊)

治   療

 リンパ浮腫 高垣 有作

 DMARDsの併用療法(生物学的製剤に匹敵する)  (村田 紀和)

 痛風の抗IL-1β治療update  (谷口 敦夫)

 骨軟部肉腫に対する新規分子標的療法開発の試み  (中  紀文)

 骨粗鬆症の新薬:カテプシンK阻害薬オダナカティブ,
  抗RANKL抗体,デノスマブ  (坪井 秀規)

 若年性特発性関節炎に対する抗IL-6治療  (横田 俊平)
 
手   術
 メタルオンメタルTHA  (金子 和夫)

リウマチニュース

 健康日本21(第2次)の中心課題となったロコモティブシンドローム  (西林 保朗)


索   引(XXV)
総 索 引(I〜XXV)
人 名 索 引(I〜XXV) 
Drug Information


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