基礎から学ぶ
医師事務作業補助者研修テキスト 改訂第5版

基礎から学ぶ 医師事務作業補助者研修テキスト 改訂第5版
著 者
中村 雅彦 (松本市立病院 副院長) 著
発行年
2016年8月
分 類
医学一般・医学教育・病院管理
仕 様
B5判・206頁
定 価
(本体 3,200円+税)
ISBN
978-4-8159-1917-7
特 色 
本書は,全国でもいち早く医療の情報化に取り組んできた著者とその病院での経験を基に,1コマを1時間として,医療事務の役割と仕組みから, 医学一般の知識,個人情報保護やリスクマネジメントまで合計32コマの研修カリキュラムとなるように作成された,研修テキストのスタンダード. 医師事務作業補助者への仕事の依頼範囲や教育方法についての基本的な知識を理解することもできるようになっており, 平成21年に初版を上梓してから院内研修や自学自習に活用され大いに好評をいただいている.
今回の改訂では,2年ごとの診療報酬改定に準拠するよう内容を見直し,加筆を行った.なお,要望の多かった「書類作成業務」の研修については, 別に姉妹書として「医師・医療クラークのための医療文書の書き方」を2012年3月に上梓しているので,併せて利用していただくことでより一層の理解と 研修・教育に役立てることができる. 医療機関にはぜひ採用していただきたい.

■ 改訂第5版出版にあたって

医師事務作業補助体制加算が平成20年の診療報酬改定で新設されて以来、全国の医療機関で医師事務作業補助者の採用が進められています。 各種学会や論文などで、導入実績や効果について評価する報告が多数見受けられます。医師事務作業補助者は、多忙な勤務医の事務作業を補助し、 医師が本来の診察に専念できる環境づくりを第一の目的に配置されていますが、近年、期待は高まる一方です。 そこには、単に医師の事務作業の穴埋めをするだけにとどまらず、質の高い診療録や医療書類の作成、診療情報の二次利用による臨床統計や学術資料の作成など、 チーム医療を担う自立した医療職としての期待があるように感じます。医療費の抑制が叫ばれる中、診療報酬改定のたびに積極的な評価が行われ、 施設基準の緩和や加算点数の引き上げが行われてきました。
今回28年度の改定でも、院内での勤務場所に対する要件が緩和され、さらなる増点となりました。また従来、医師事務作業補助体制加算の対象病院は、 急性期医療を行う病院に限定されていましたが、特定機能病院(一般・結核・精神)、療養病棟にまで拡大されました。医師の最も身近なパートナーとしての 活躍が求められていることに他ありません。 また、病院経営上も医師の診療への専念による業務の効率化や収益の改善効果が期待されています。
本書は医師事務作業補助者の研修テキストとして、21年に初版を上梓させて頂きました。お陰様でご好評を頂き、院内研修や自学自習に活用しているとの多くの声を頂いております。 Up-to-dateな情報の提供を心掛け、永井書店のご厚意もあり、2年ごとの診療報酬改定に合わせて内容の見直しを重ね、第5版出版となりました。今回も診療報酬改定に準拠し、 数ヵ所の加筆も致しました。 医師事務作業補助者の教育は、本人の向学心はもちろんのこと、医師をはじめ共に働く多くのスタッフの協力が欠かせません。ご意見など頂けたら幸いです。本書が医師事務作業補助者育成の一助になれば望外の喜びです。
平成28年8月
中村 雅彦

■ 主要目次

1章 医療事務職
チーム医療を支える一員としての医療事務職の役割を理解する。
2章 医師事務作業補助者
医師事務作業補助者の業務・研修について理解する。
3章 医療保険制度
保険診療(療養担当規則を含む)、自由診療、混合診療、労災保険、自賠責保険について理解する。
4章 介護保険制度
介護保険制度の仕組みを理解する。
5, 6章 医療関連法規
医師法、医療法、薬事法、その他主要な法規の概要を理解する。
7章 医療情報化の歴史
わが国の医療情報化の歴史を知り、医療IT先進国の現状について理解する。
8, 9章 診療録(カルテ)
カルテの価値を理解し、開示に値するカルテについて学ぶ。クリティカルパス、DPCについて理解する。
10, 11章 電子カルテ
電子カルテ利用の3条件、さらにペーパーレス・フィルムレスについて学ぶ。
12, 13章 カルテの記載業務
カルテ記載時の留意点、POMRによる記載方法を学ぶ。
14, 15章 オーダ入力業務(オーダリング)
オーダの種類、入力権限について理解し、転記ミスを防ぐ。
16, 17章 書類作成業務
「診断書」「指示書」など院内で使われている書類の種類を知り、記載する事項を理解する。
18章 医学一般(1)
バイタルサイン・循環器系
19章 医学一般(2)
脳神経系
20章 医学一般(3)
消化器・内分泌・血液系
21章 医学一般(4)
筋・骨格系
22章 医学一般(5)
皮膚・眼科・耳鼻咽喉科系
23章 医学一般(6)
泌尿・生殖器系
24章 薬剤科
「処方」「注射」オーダの代行入力時の注意点を確認する。薬剤師の業務の概要を理解する。
25章 放射線科
HIS-RIS-PACS関連、DICOM規格について理解する。
26章 検査科
検査科の主な業務と、検査オーダの流れを理解する。
27章 リハビリテーション科
リハビリテーションに関する書類の確認と、PT、OT、STの実際について理解する。
28章 栄養科
栄養管理に関する書類の作成と、NSTの活動を理解する。
29章 個人情報保護
患者情報の取り扱いに関する留意点(個人情報保護法)と、守秘義務について理解する。
30章 情報セキュリティ対策
「人的」「技術的」「物理的」セキュリティ対策の3つを理解する。
31章 医療安全(1)
リスクマネジメント、コンフリクトマネジメント、医療メディエーターについて理解する。
32章 医療安全(2)
職業感染について理解し、スタンダードプレコーションが実施できる。
付録 診療報酬疑義解釈(Q&A)
厚生労働省から発表された医師事務作業補助体制加算に関する疑義解釈を収載。

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