医学生・コメディカルのための手引書
リハビリテーション概論 改訂第4版

医学生・コメディカルのための手引書 リハビリテーション概論 改訂第4版
著 者
田島 文博 編著
発行年
2021年3月
分 類
医学一般・医学教育・リハビリテーション医学
仕 様
B5判・238頁
定 価
本体 3,000円+税
ISBN
978-4-8159-1922-1
特 色
これからリハビリテーションにかかわられる医学生, 看護師, 理学療法士, 作業療法士, 言語聴覚士や関連専門職を目指しておられる方々に “リハビリテーションとは何か”, その本質にふれ, 現在のリハビリテーションの仕組みなどを知ってもらうこと, また教育される先生方にも使いやすい教科書であることを第一のテーマとして, 分かりやすく, 読みやすく, 理解しやすさに重点をおいたリハビリテーションの解説書として,伝統に裏づけされた正統派教科書の改訂第4版.
改訂第3版より7年を経て,全体を見直し内容をアップデート. さらに読みやすく理解しやすい, そして使いやすい教科書となっている.

■ 第4版序文 ■

本書の企画,編集された上好昭孝先生と土肥信之先生が相次いでご逝去されました.心よりご冥福をお祈り致します.
両先生は,日本のリハビリテーション医学創世記からご活躍され,土肥信之先生は藤田医科大学リハビリテーション医学講座の初代教授, 上好昭孝先生は和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座初代教授として後進を育成され,学問的基盤を確立されました. 私も両先生の御薫陶を頂き,本書の創刊時から著者に加えて頂きました. 本書はそのお二人がこれからリハビリテーション医学を学ぼうとする方にとって必要な要点をまとめられたものです. 伝統に裏づけされた正統派教科書と言えます. 今回,わたくしがその伝統を引き継ぎ,編集をお引き受けしたことは大変光栄ですが,同時にその責任の重さを感じています.
本書を手に取って下さっているのは,これからリハビリテーション医学を学び,療法士,看護師,医師,そして専門職として活躍される方と考えます. そのはじめに目を通していただけるのが本書であり,それに相応しい内容となっているのが本書です. 伝統ある本書が時代の流れを的確に反映しつつも,未来を築いていく若者に適切な情報を提供するために,改訂を加えています.
厚生労働省によると,日本では今後2060年まで75歳人口は増え続けます. つまり,本書を手に取っている方のほとんどにとって,定年になるまで高齢者は増え続けるといえます. 日本の医療費と社会保障費の抑制には健康寿命の延伸しかありません. その具体的な対策としてリハビリテーション医学の推進により,寝たきりを少なくし,元気な高齢者を増やすことが吃緊の課題です. つまり,障害克服と機能回復を踏まえた上で,「活動性を育む」ことが我々の社会的な使命であり,仕事です. もちろん,リハビリテーション医学の領域は高齢者医療に留まりません. 小児医療,整形外科疾患,脳血管障害,脊髄損傷をはじめとした通常の診療においても役割が増しています. 近年では,循環・呼吸器疾患,糖尿病内分泌疾患などの内科的疾患から,がん治療,周術期など,あらゆる領域にリハビリテーション医療が必要とされています.
私たちは.国民の生命,健康と豊かな生活,そして実りの多い人生の役に立てるリハビリテーション医学の発展と推進に努力しなければなりません. そのためには,目の前の患者さんや障害を持つ方の役に立てるように勉強をし続ける必要があります. 本書はリハビリテーション医学・医療の概論としてよくまとまり,わかりやすい内容となっていると自負しています. 是非,本書でリハビリテーション医学・医療の概論を学んでいただきたいと考えます.
最後に,改訂にあたり,素晴らしい内容をご執筆いただいた先生方と永井書店編集部はじめ,担当各位に厚くお礼申し上げます.
2021年2月
田島 文博

■ 主要目次 ■

第1章 リハビリテーションの概念・理念・定義
1.リハビリテーションの概念
2.リハビリテーションの語源
3.リハビリテーションの理念
4.リハビリテーションの定義
第2章 健康と障害の概念と分類
1.健康・疾病・障害
2.疾病と障害の分類
3.障害を起こす疾病
4.リハビリテーション診療の流れ
5.廃用症候群(生活不活発病),誤用症候群,過用症候群
第3章 障害の心理的・社会的視点
1.病(障害)の心理
2.防衛機制(Defence Mechanism)
3.リハビリテーションと心理療法(Psychotherapy)
4.患者・家族心理教育
5.障害受容(Acceptance of Disability)
6.発達段階と障害
第4章 ヒトの発達と評価−とくに小児−
1.ヒトの発達とは
2.発達の時期と特徴
3.発達の評価・検査
4.小児のリハビリテーション
第5章 リハビリテーション過程
1.評価とは
2.評価の捉え方
3.評価の時期
4.評価の内容
5.ゴール設定
6.プログラムの作成
7.リハビリテーション過程とクリニカルパス
第6章 リハビリテーションの諸段階
1.医学的リハビリテーション
2.職業的リハビリテーション
3.社会的リハビリテーション
4.教育的リハビリテーション
第7章 医療とリハビリテーション専門職種と役割
1.医療職種にかかわる諸問題
2.リハビリテーション専門職種
第8章 チームアプローチ
1.チーム医療,連携医療
2.評価会議とゴール設定
3.リハビリテーションプログラムとクリニカルパス
第9章 ADL,QOLの概念と評価法
1.ADL:Activities of Daily Living(狭義,広義)
2.IADL:Instrumental Activities of Daily Living
3.QOL:Quality of Life
第10章 医療・リハビリテーション医療−医療機関で行うリハビリテーション治療と義肢・装具
1.医療保険でのリハビリテーション治療
2.義肢装具療法
第11章 地域リハビリテーションと社会資源,在宅ケア
1.地域リハビリテーションと社会資源
第12章 高齢者・健康対策と少子化対策
1.高齢者対策
2.健康対策
3.少子化対策
第13章 医療・福祉制度
1.社会福祉制度の概念と定義
2.医療保険制度
3.公的扶助制度
4.介護保険制度
第14章 医療法・福祉関係法規
1.医療法
2.保健衛生法規
3.福祉関係法規
索  引

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